暗号資産ポートフォリオ分析

9月下旬にBTC現物ETFが週間流入で2026年最大を更新、BTCは8万ドル台前半で推移。日米利上げと原油高のリスクを管理するBTC・ETHコア戦略
基準日: 2026年10月
作成: A.I.P株式会社

1前提となるマクロ環境分析(2026年10月現在)

① BTC現物ETFは9月21〜25日の週に約23.9億ドル流入、2026年の週間最大を更新
米国のビットコイン現物ETFは9月21〜25日の週に約23.9億ドルの純流入を記録し、8月に付けた2026年の週間記録(約19.2億ドル)を更新した。9月21日には1日で約10億ドルが流入し、年初来累計の資金フローもプラスに転じた。ビットコインは月半ばに7.5万ドル台から8.6万ドル台へ約15%上昇し、9月21日に8万7,000ドル台の高値を付けた後、月末は8万3,000ドル前後へ反落。月末にかけてはETFフローも流出入が交錯している。
② セクターローテーション分析との整合(選別的なリスクオン、ただし地政学リスクに注意)
今月のセクターローテーション分析では情報技術・金融・資本財に加え、原油高を受けてエネルギーを「強気」へ格上げした。日経平均は9月末に66,753円と月間で上昇しAI関連主導のリスクオンは続くが、中東緊迫による原油高は資金をエネルギー・防衛など実物資産寄りへ向かわせており、全面的なリスクオンではない。ハイベータ資産である暗号資産はポジションサイズを抑えて臨む。
③ 日本では暗号資産を金融商品と位置付ける改正金商法が成立
2026年7月15日に暗号資産を金融商品取引法の対象とする改正法が成立し、2027年度の施行に向けて暗号資産ETFの組成・上場解禁や、2028年1月からの申告分離課税20%の適用が見込まれる。インサイダー取引規制や情報開示義務も導入される。国内取引所を運営する上場企業にとっては中長期的な顧客基盤拡大の追い風。米国でも市場構造法案の上院審議が中間選挙前の焦点となっている。
④ 金利・為替:日米同時利上げと原油高による実質金利上昇リスク、円安戻りは円建て価格を押し上げ
FRBは9月16日に3.75〜4.00%へ利上げし年内もう1回を示唆、日銀も9月18日に1.25%へ利上げした。原油高によるインフレ再加速で利上げが続けば、無利回り資産であるビットコインの相対的な魅力は低下しやすい。一方、ドル円は9月上旬の155円台から9月末に156.9円前後へ円安方向に戻り、円建てのBTC価格(約1,300万円前後)を押し上げている。159〜160円での介入による急な円高は、円建て評価額の目減り要因となる点に留意する。

2最適な構成比率と主要投資指標

■ ポートフォリオ目標配分
BTC
(35%)
ETH
(25%)
国内関連株
(40%)
※値動きの荒いBTC・ETH現物をコアとしつつ、国内の暗号資産関連上場企業をサテライトとして組み合わせることで、現物のボラティリティを一定程度緩和しながら、改正金商法による国内市場拡大も取り込みます。
■ ポートフォリオ予想総合指標(加重平均)
約 $83,000
BTC価格(9月末)
約 $2,700
ETH価格(9月末)
約 23.9億ドル
BTC現物ETF週間純流入(9/21〜25)
$87,397
9月の高値(9/21)
約 1,300万円
BTC円建て価格
$72,000〜$98,000
今後3ヶ月の想定BTCレンジ

3採用銘柄・ETFの詳細分析

銘柄名(コード)/比率 主要指標 株価上下要因・現在の位置 選定理由・スポンサー評価
コア(BTC)
ビットコイン (BTC)
価格: 約$83,000
ETF: 9/21〜25週 約23.9億ドル流入(2026年最大)
記録的なETF流入で9月21日に8万7,000ドル台まで上昇後、FRBの利上げ姿勢と月末のETF流出で8万3,000ドル前後へ反落。 暗号資産の中核資産として時価総額・流動性ともに圧倒的。機関投資家のポートフォリオ組み入れが進む「デジタルゴールド」的な位置付け。
コア(ETH)
イーサリアム (ETH)
価格: 約$2,700
9月初旬の約$2,500から上昇
BTCの上昇に連れ高し、9月末は2,700ドル前後へ水準を切り上げた。前年比では依然大幅安で出遅れ感がある。 スマートコントラクト基盤の代表格として、ステーキング利回りや実需(DeFi・RWA)の裏付けを持つ点がBTCとの分散効果を生む。
関連株
マネックスグループ (8698)
暗号資産取引所コインチェック運営
BTC/ETH価格連動性: 高
ETF資金流入とBTC上昇による取引高回復に加え、改正金商法による暗号資産ETF解禁・分離課税化を見据えた中長期の顧客拡大期待。 国内有数の暗号資産取引所を傘下に持ち、現物を保有せずとも業界成長の恩恵を受けられる代替アクセス手段。
関連株
SBIホールディングス (8473)
SBI VCトレード運営
金融コングロマリット分散効果: 高
証券・銀行・暗号資産を含む総合金融グループで、日銀の利上げは銀行事業側の追い風。暗号資産ETF組成でも有力プレーヤーと目される。 暗号資産事業単体のボラティリティを、他の金融事業の安定収益で緩和できる点が個人投資家にとって扱いやすい。
関連株
GMOインターネットグループ (9449)
GMOコイン運営
マイニング事業も保有
取引所事業とマイニング事業の両輪を持ち、価格上昇局面では収益レバレッジが効きやすい構造。 取引所・マイニングの両面から暗号資産業界の成長を取り込める、国内では数少ない銘柄。

4資金投下・時間分散戦略(2段階投資の執行)

【第1弾】現在(2026年10月):資金の40%を投入
ETF流入の記録更新で基調は堅調な一方、日米の利上げ継続と原油高によるインフレ懸念が上値を抑えやすいため、初回投入は予算の40%に抑え、上記の配分比率(BTC35:ETH25:関連株40)でポジションを確保します。
【第2弾】調整局面(2026年10〜11月):残りの60%を分割投下
日銀10月会合やFRBの追加利上げ観測、11月米中間選挙を控えたリスクオフ、中東情勢の急変などでボラティリティが急上昇し、想定レンジ下限(BTC $72,000前後)に接近する場面があれば、残りの60%資金で押し目買いを分割執行します。

5出口戦略(売り時・利益確定の目安)

■ キャピタル利益確定とリバランスの最適タイミング
① BTC・ETH現物:想定レンジ上限到達時に一部利益確定
米市場構造法案の成立などを材料に想定レンジ上限(BTC $98,000前後)に到達した場合、ポジションの一部を利益確定し、下落局面での再投資余力を確保します。
② 国内関連株:長期保有(維持)またはリバランス
改正金商法の施行(2027年度)に向けた国内市場の拡大は複数年の構造的テーマであるため、関連株は基本的に保有継続とし、四半期ごとの預かり資産・取引高の推移で業績モメンタムを確認します。